パーキンソン病患者の歩行、方向転換時の転倒要
パーキンソン病患者の歩行、方向転換時の転倒要
最近はテレビでも取り上げられることが多くなってきているパーキンソン病、医療従事者でなくても耳慣れた言葉となってきました。
今回はそんなパーキンソン病の視線活動の特徴から、転倒予防について考察していきます。
転倒を繰り返すパーキンソン病
パーキンソン病患者はその病気が進行すると転倒を繰り返すようになります。
転倒要因の多くは、方向転換時にバランスを崩し、すくみ足や姿勢調整の低下などが挙げられます。
方向転換は、一日に実行されるステップ動作のうち最大45%を占め、在宅生活での転倒予防として方向転換時のバランス向上が必須と考えられます。
方向転換の制御に関する仮説では、身体調整のために予測的な視線活動が重要であると示唆しています。
ではその視線活動はどのようになっているのでしょうか?
パーキンソン病患者の歩行中、方向転換中の視線活動は?
パーキンソン病患者の歩行、方向転換中の視線活動に関する研究を紹介します。
パーキンソン患者群・若年成人群・高齢成人群を対象に、歩行・方向転換中の眼球運動と頭部・体幹の分節的な動きの協調を調査しています。
課題は自由視線と視線固定の視覚条件で、歩行と方向転換を行っています。
結果として、パーキンソン病患者群は視覚条件を自由視線と視線固定にしても、頭部・体幹の分節的な動きの差がなかったです。
つまり、歩行、方向転換中には視線は動いておらず、身体調整が低下している可能性があります。
視線が動かなければ、足元への注意はできるの?
上記で示した研究報告からパーキンソン病患者は歩行中の視線活動が低下しており、足元を見ながら歩くことは難しく、そのため、歩く床面が散らかっている状態では歩行が難しいと考えられます。
パーキンソン病患者がでこぼこな床面上を歩いた時の身体変化についての研究を見てみましょう。
パーキンソン病患者9名と高齢成人9名を対象に、平らな床面とでこぼこな床面を歩いてもらい、3次元歩行解析を行っています。
結果として、パーキンソン病患者は、平らな床面からでこぼこな床面に変わった直後に、歩行の速度・ケイデンス・歩幅が、高齢成人に比べ減少しました。
また、膝の矢状面、体幹の前・横方向の運動範囲が減少しました。
つまり、歩行環境が複雑になることで、転倒リスクが高くなる可能性が高いという事が考察できます。
自宅での転倒予防
今回紹介した論文から、パーキンソン患者の自宅内動線は整理されているべきと考えられます。
しかし、それぞれの方々の自宅環境によってはパーキンソン病患者の転倒リスクは増加してしまいます。
パーキンソン病患者それぞれの病態や自宅環境に合わせたリハビリテーションは、転倒予防に必須と言えるのではないでしょうか?
きらめき訪問看護リハビリステーションでは、利用者様一人ひとりに対して、「自宅環境に身体機能を合わせる」リハビリテーションの提供と同時に、「身体機能に自宅環境を合わせる」環境設定とその提案も行っています。
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